2007年04月16日

GUN 46

しばらく冷たい飯を食べ続けていた。

最近ようやく深夜に凍えることがなくなり、何人かの知り合いも出来た頃、この無機質な何一つ飾り気のないただ合理的に作られた部屋を出て行くことになった。


「先に出たなら必ず俺に腹巻きを差し入れてくれよ」

そう言ったゲンさんは、それを腹に巻く必要がなくなった。

それは季節が変わったのではなく、ゲンさんの中で季節がそのまま動かなくなったからだ。

またいつか桜の木の下で花を眺めながら、酒を呑みたいもんだ。

と言っていたゲンさん。

屁の中から桜が散っていく虚しさをもう感じることもない。


身よりのないゲンさんが、唯一心の拠り所にしていたという高崎の飲み屋を今夜訪ねてみるか…


久しぶりに強いお酒が恋しかった。

わざわざ高崎まで出る必要もないのだか、ゲンさんとの腹巻きの約束を守れない今、せめてゲンさんを想い酒を呑める場所へと足が向いたのだ。

春だというのに、夜の街は冷えきった風が吹いていた。

腹が冷える。

早くウィスキーを放り込もう。  


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2006年12月27日

GUN45

オンナのヘソは曲がるもの。

それを判ってないで近づくと、男は大概痛い目にあう。

オンナは気分が何より優先される。

それを判っていないと、かならず針の餌食となる。

空気を詠め、瞳を詠め

口は尖っていないかい?

鼻はひくひくしていないかい?

お尻はもぞもぞしていないかい?

唇に甘い蜜をつけたオンナは

お尻に鋭い針を隠し持っていることを

忘れてはいけない。


男がかっこよかった時代は
もう終わったのかもしれない。

そう、蜂のムサシは死んだのさ。
  


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2006年10月19日

GUN 44 マグナム

その若い板前は 何も聞かずに

お椀に麦飯と 一粒の梅干しを入れ、

そこに出し汁と 麦焼酎を 適量注ぎ入れる。

俺はそれを まだ熱いうちに 一気に かっ込んだ。

これが昨夜 2年愛した女と別れた後に食べた 夜食のレシピ。

メニューは語りかける…

   失恋は…

     噛み締めるな

         ただ飲み込め

  


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2006年09月28日

GUN 43

生まれながらに したたかなその生き物を

男が愛してやまないのは

全ての男は そこから生まれ

既に熱病にかかっているせいで

それは死ぬまで治らない。

よって、したたかな生き物は

この世から決して、滅びることはなく

むしろ 日々、勢力を増しているという

現実の恐ろしさを、男たちは そろそろ 

アルコールの力なんかに頼らず

気づき、認識し、対応すべきだ。

手遅れになる前に

無駄な抵抗で あるにせよ。  


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2006年09月28日

GUN 42

女の涙は、弱さを象徴するするものではない。

なぜなら、涙が瞳に浮かび始めたころ、

女の本当の手強さを知るからだ。


そんな時、男にとって酒は本当に心強い。  


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2006年09月26日

GUN 41

まだ昨夜の酒が体内に残っている。

冷蔵庫を開け、グラスにビールとトマトジュースを注ぎ、
吐き気と頭痛と後悔でぐしゃぐしゃになった頭と胃袋を目掛けて、
それを一気に飲み干す。

二日酔いも長年の付き合いともなれば、気心も知れてくる。


レッドアイ


鏡に映った二日酔いの顔も、慣れれば愛嬌があっていい。

それでも暫くはオサラバしょう。

そう誓っても、また唇が恋しくなる。

酒と女の赤い誘惑。  


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2006年09月25日

GUN 40

素人の話をしよう。
知ろうと思わない?
いやいや、今夜は付き合って欲しい。

先日、俺の中で小さな気づきがあった。

日々酒浸りでクラブ通いの俺にも、
昔から心を許し、話せる女が一人いた。
女はいつも優しく、若い頃スッカラカンになり
行く場所がなくなった俺に、うどんや茶漬けをよく振舞ってくれた。
付き合っていたわけでもなく、特別意識したこともなかったが
なぜか人生の寂しさを感じる前に、その女は自然に
俺の横にいつもいてくれた。

ある日、女は「一緒になりたい人ができんたんだぁ」 と嬉しそうに言った。

「優しくて、一本気で、まじめな人」とも言った。

そいつを愛しているのか? と、尋ねた

「私を愛していると言ってくれるの 」 と、照れながら笑った。

女の そんな幸せそうな顔を 長い付き合いの中で 初めて見た気がした。

大事な何かが、指の間から流れ落ちていくのが分かった。

俺はプロではない。

  今夜は 後悔と孤独と酒に 酔うだろう。

     もう 茶漬けで寂しさを 飲み込む夜もない。
  


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2006年09月23日

GUN 39

店を出る。

店先で見送る女に対して、次の曲がり角までの数十秒間を考えながら歩いている。

振り向いて見送る女に手を振るべきか?

いや振り向かずそのまま角を曲がるべきか…?


男はそんなデリケートな部分を

常にどこか

 包み隠し 持っている。  


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2006年09月22日

GUN 38

突然のコール

突然の誘い

突然の涙

突然の音信不通


女の突然は、大々にし必然であるのにも関わらず、

女は常に偶然を待ち焦がれる。

酒を飲み、必然として、酒に酔う。


偶然が絡み合い、今夜も知らぬ街で眠る。  


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2006年09月21日

GUN 37

さすらうことに疲れ、落ち着ける場所が欲しくなる。

しかし、さすらうことを止めた途端に感じるこの息苦しさはなんだろう。


狭い世界では生きられぬ性(サガ)。
狭い世界の内側でしか さまよえぬ性。

塀を飛び越え、壁を打ち破り、
自由への恐怖克服し、外気の世界へ体ごと投げ出せ。

酒は力、 酒は翼、 酒はハイウェイ、 酒は…


酒により、安らかに破滅する。
  


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2006年09月19日

GUN 36

飲んでこの世がわかるなら
今夜もRock'n'-roll


飲んでお前がわかるなら、
飲み干そう店にあるだけの酒を。


飲んで自分がわかるなら、
どれほど飲めばいいのだろう?


ドーナツ片手に、いくら勉強したって答えなんて出なかった、青春の青さよ。  


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2006年09月19日

GUN 35

そもそも僕が面白いジョークを言うようになったのは、かわいい女の子を射止めるためだった。

ウディ・アレン


そもそも俺が面白くもない酒を飲むようになったのは、酒場の女を全部やっつけるためだった。

キャバクラ・サラリー・カウボーイ  


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2006年09月13日

GUN 34

今夜、酒を自棄気味にあおる。

世の中の不幸を一人で背負い。


小雪と名乗る女は、グラスのフチを手で覆うと、
「もう飲み過ぎだよ」 と、
優しさと、強い意志を同時に感じさせる口調で言った。

ほっといてくれ

…と言いかけて、この小雪に甘え、
朝まで飲み明かすであろう
自分の今後が想像できて、
言葉にするのをやめた。


今夜はもう帰ろう。

 酒が俺を甘やかす。  


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2006年09月12日

GUN 33

初めに酒を覚えた夜
 初めて女を知った。

初めに酒に酔った夜
 初めて惨めな男になった。

誰でも何か新しいことをするとき

 初めから うまくなんて できないものさ。


乾いた喉に水を流し込む

口の周りについた、夕べの口紅をシーツで拭う


初めて迎える 今日という一日

     後悔のない 朝がいい。  


Posted by ccsカウボーイ at 12:36Comments(2)ファイト

2006年09月11日

GUN 32

酒場を出ると花を買い、
次の店へと向かう。

明確な理由も無ければ、目的もない。

ただ、酔うのだ。

明日この世界が何一つ変わらなくとも。


このアルコールで回転する
頭の中の唯一変わらぬ理想の世界の

扉を開く酒があるなら。  


Posted by ccsカウボーイ at 22:20Comments(1)ファイト

2006年09月11日

GUN 31

結局弱さゆえ

結局脆さゆえ

酒に乱れ

女に溺れ

自分をごまかし、心いつわり

氷で冷やし

アルコールで熱し

寂しいを好きに代え

孤独を愛と言い換える。


今夜ベッドで
 安らかに眠るために。  


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2006年09月11日

GUN 30

人は どのタイミングで

 今夜の行き着く場所を

  「酒場」だと決めるのだろう・・・


ストレスのたまった時
妙に元気な時
孤独だと感じる時
何かに腹が立った時


俺はどうかな・・・

多分、誰にも会いたくなく
  無性に誰かそばにいて欲しい時。

無口でいいんだ
  喋り続けてくれてもいい。

ただ、干渉なしに 横にいてくれ

俺の覚悟が決まるまで。


重要なのは酒でも女でもなく

   それらに ただ 酔うことだ。

  


Posted by ccsカウボーイ at 18:33Comments(1)ファイト

2006年08月26日

GUN 29

人は簡単に恋に落ちる

そのリスクも考えずに。


だけど恋は、考えて、
考え抜いて始まるものでも
決してない。


傷ついたとして、
誰を責められよう。  


Posted by ccsカウボーイ at 02:59Comments(0)ファイト

2006年08月23日

GUN 28

MIMIは鼻っ柱の強い女だ。

中学を出るとすぐ故郷を捨て、
今なら風営法に触れる齢から働き始め、
その若さで歌舞伎町を生き抜く為にパトロンを見つけ、
二年で呆気なく捨てられると、
次に出会った優しいだけの男と二十歳で結婚し、
子供を産み、日ごとに変貌するその男のギャンブル癖と
暴力とその後の異様な優しさに嫌気をさし、別れ、
十年ぶりに帰った故郷に息子を預けると、
その足でこの店に復帰した。

「もう男は懲り懲り…
今は東京に家を買って、一日も早く息子と二人で住むのが夢なんだぁ」
と、酒に酔って話し、

「だからね、頑張らなくっちゃね、
ごちそうさまでした」と言い残すと、
違う客の待つテーブルへと向かった。


例え、生活に疲れ果て、暴力に屈し、
何度となく涙を流したとしても、

女は男の何十倍も強い。

酔うと故郷の言葉がつい出るMIMIは、
人生のブランクを乗り越えて
復帰したこの店で、
その逞しさを更に
増していたように見えた。


「お客さん何か考え事ですか?
楽しまないと時間がもったいないですよ!」


隣には、真紅の口紅を引いた、
新しい勇者が微笑む。

「そんなことないよ、さぁ今を目一杯楽しもう!」



グラスを満たすその液体は
何故か懐かしい味がした。

俺も、自ら捨てた故郷を、今想う。  


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2006年08月22日

GUN 27 明日に向かって撃て

この世で大切なことは

自分の取る道は

自分で選択するということ。


さぁ、陽は沈む

力で奪え、情けは無用。  


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